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曲のアレンジって著作権で問題になるの?

高校生の娘のA子が、学校から帰るなり、
パソコンの前に座って、
何だか難しい顔を、しています。

一体何をしているのか、聞いてみると、

「実はさぁ~、今度の文化祭で、
 DTM(ディーティーエム)で曲を作って、
 披露することに、部活で決まったんだ~。」

と言うのです。

私「DTMってなによ?」

娘「『デスクトップミュージック』
  のことだよ。

  要するに、パソコンを使って
  音楽を作るってこと、

  昭和的に言えば、
  『コンピューターミュージック』
  ってとこかなぁ?」

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1時間くらい、パソコンの前で
ウンウン、うなっていた
と思ったら。

娘「やっぱ、ムリ。つくづく分かった。
  私、作曲の才能ゼロみたい。」
と諦めの声が…。早っ!! \(-_-;)ォィォィ

呆れ顔で、眺めていると、
娘「ま、心配しないで。
  ちゃんと奥の手が、用意してあるって。

  大好きなアニソンをアレンジして、
  チョーカッコイイ曲を、作るつもり。
  まあ、期待していて!」

あれ?アレンジって、勝手にしても
いいんだっけ?
何だか、不安になってきました。

念のため、大学でバンドをやっている
姪に確認してみる、ことにしました。

姪「あ~。それ、ヤバイよ。
  著作権で、問題になるよ。」

娘「え~、著作権!?どうして?

  他人が作った曲を、そのままコピーしたり、
  丸々、真似するんじゃなくって、
  アレンジするんだから、問題なくない?」


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著作権とは

姪「著作権に違反って言うと、
  コピーライト(copyright)って
  言うくらいだから、

  違法なコピーが、問題だって
  思いがちだけど、
  そればっかりじゃ、ないのよ。

  『著作者』は、その人の思想や感情が
  創作的に、表現されている作品

  つまり、『著作物』の利用を、
  独占する権利(著作権)を
  持っているの。

  著作権と、一言でいうけど、実は
  『複製権』『演奏権』『送信権』など
  様々な権利の、集まりなのよ。

  今回Aちゃんは、文化祭でアニソンを
  お客さんの前で、披露しようと
  しているのよね?

  そうなると、著作権のうちの、
  『演奏権』が、関係してくるわね。」

演奏権

娘「ううん。演奏するんじゃなくって、
  録音したヤツを、流すんだぁ。」

姪「『演奏権』っていうのは、公衆に
  直接聞かせるための、演奏を
  コントロールできる、権利のことで、

  生演奏だけじゃなく、CDなんかで
  音楽を再生する、ことも含むの。

  演奏権では、原則として、
  著作権者の許可なく、演奏することは
  できないと、されているの。

  許可の代償として、求める内容については
  特に規定されている、訳じゃないけど、
  演奏料金って、考えるのが普通よね。」

娘「えっ!マジ!?
  作者にお金を、払わないといけないの?

  耳コピなら、大丈夫って、
  部長が、言ってたよ?」

姪「耳コピって、音楽を耳で聴いて
  演奏を再現したり、楽譜を起こしたり
  するってこと?

  著作権は、楽譜じゃなくって、
  に付いている、ものなのよ。

  自分が作った、楽譜を使ったり、
  そもそも、楽譜自体を使っていない
  からといって

  著作権を、侵害していないって、
  いうことには、ならないわよ。
  逆に、

  『ちゃんと出版社から、楽譜を購入したから、
   どこでも自由に、演奏できる』
  訳じゃないわよ。

  楽譜の正当な、購入によって
  処理できるのは、複製権だけ。
  演奏権とは、別の問題なの。」

姪「そうなんだ!? (@_@;); ビックリ
  でも軽音部の、バンドの子達だって、

  J-POPとか、演奏するけど、
  お金払うなんて、聞いたことないよ?」

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姪「実はね、著作権法には、
  著作権を持っている人の、了解を得なくても
  音楽を利用できる、場合があるの。

  例えば、『学校などの、授業のための複製』
  『営利を目的としない、演奏・上映』
  『個人的に楽しむための、複製・引用』

  などであれば、手続きせずに
  利用できると、されているの。

  中学や高校の文化祭は、『授業』の一環と
  考えられるから、文化祭で演奏するだけなら、
  許可を取る、必要はないの。

  但し、いくら文化祭ならいいとはいっても、
  営利目的の演奏は、NG。

 ・入場料を、もらっていない
 ・演奏する人に、報酬を支払っていない
 ・営利を目的とした、ものではない

 の3つを満たすことが、条件
 されているの。」

娘「それじゃ~、
  演奏することに関しては、
  OKって、ことだよね。

  ところで、部長がCDにして
  クラブのみんなに、配るって
  言ってるんだけど、

  タダだから、当然それも
  問題なし、だよね?」

姪「ブーッ!残念でした!
  録音・録画って、家庭内で楽しむためなら、
  許可は、いらないんだけど、

  例え無料であっても、みんなに配るときには
  許可が必要なのよ。
  ブログに載せたりするのも、当然NG。」

娘「なんですとぉー!? w |;゚ロ゚|w ヌォー
  ホントに著作者って、厳しいんだね。」

姪「あのね実は、許可を出したり、
  お金を請求したり、しているのは、
  曲の著作者だとは、限らないのよ。」

娘「どういうこと?」

姪「音楽に関する、特許の管理は、
  ほぼ独占的に、
  『社団法人日本音楽著作権協会』

  つまり、JASRAC(ジャスラック
  Japanese Society for Rights of Authors, Composers and Publishers)
  という著作権管理団体が、行っているの。」

JASRACとは

姪「著作権のある曲を、演奏する
  からと言って、一々作詞者とか、
  作曲者とかに

  許可や利用料を、交渉するのって、
  現実的じゃ、ないわよね。

  実は、ほとんどの作曲家・作詞家は
  JASRACに(大概は、音楽出版社経由で)
  自分の曲の著作権を、信託しているの。

  お陰で、音楽の著作物を、利用したい人は
  作曲家や、作詞家なんかに
  一々許可を、貰ったりしなくても、

  所定の料金を、JASRACに支払うことで
  楽曲を利用、つまり演奏なんかを
  することができる、ようになっているの。」

娘「ふーん、お金取る仕組みって、
  うまくできて、るんだね。」 φ ( ̄Д ̄ )ホォー

姪「で、肝心の点なんだけど、
  実はAちゃんが、アレンジをするって
  いうところが、問題なんだよね~。

  さっき著作権は、色々な権利の
  集まりだって、言ったよね。

  アレンジを行う場合は、その中の
  『編曲権(翻案権)』に、該当するの。」

娘「えっ。アレンジが、問題だったんだ!?」

編曲権とは

姪「楽曲をアレンジする、権利というのは、
  著作者(作詞家・作曲家)が、専有していて、

  著作者は、自身の意に反する改変を
  禁じる権利を、持っているの。

  もちろんアレンジでも、個人的な利用
  であれば、問題ないのよ。

  もし、それが違法なら、うっかり
  適当な歌詞で、鼻歌も
  歌えないわよね。

  実際には、無許可で編曲したものを
  公表したり、第3者の手に
  渡してしまったり、したときに、

  初めて摘発可能な、違法行為になる
  訳でしょうね。

  曲をアレンジする場合、例えばジャズ風に
  するみたいに、全く曲調が
  異なっていたりとか、

  歌詞を、変えたりするのは
  当然、翻案権の侵害
  なるんだけど、

  元の曲と、ほとんど変わらないように
  改変している、ものについては、

  複製権の侵害と、なることもあるから、
  注意が必用よ。

  ところでAちゃんは、どうしてアレンジ
  するのが、著作権の侵害になるのか、
  あまり納得、できてないようね。」

娘「うん。アレンジしたら、それは自分の
  オリジナルなような、ものになるって
  思ってた…」

姪「アレンジした曲が、新たな著作物に
  なるためには、元の著作物を
  伺いしれない程

  変更があると、認められなきゃ
  ダメなの。」

娘「ふ~ん、そうなんだ。
  でも、そもそもなんで、アレンジが
  問題なのか、よく分かんないなぁ。」

姪「例えば、Aちゃんが作った曲が
  イメージと違う風に、
  勝手に、アレンジされたり

  ふざけたような、替え歌を作ったり
  されたら、どう思う?」

娘「多分、泣いちゃうね… (‘ε´ヾ) ヤダ」

姪「つまり、第三者による、著作物の
  利用の仕方によっては、著作者の人格を
  侵す恐れがあるって、考えられるわよね。

  こういう場合、著作者は改変を禁じたり、
  訴えたりすることができて、この権利は
  『同一性保持権』と、呼ばれているの。

  これは著作者個人の、名誉を守るための権利、
  つまり『著作者人格権』の一つとして
  定められているの。」

娘「はぁ~っ…、結局アレンジするためには、
  これまたJASRACに、許可を貰わないと
  いけないって、言うことなんだね。」

姪「ぶぶ~っ。実は、編曲権はJASRAC等の
  著作権管理団体が、管理する権利には
  含まれないの。

  さっき言った、著作者人格権は
  保護の対象が、財産的利益ではなく
  人格的利益だから、

  著作者の、一身専属の権利であって、
  他人に譲渡できない、ものなの。
  当然JASRAC等への、信託もできないって訳。

  つまり、楽曲をそのまま演奏する
  場合であれば、JASRAC等に
  所定の料金を、払うだけでいいんだけど、

  アレンジを加えた場合には、
  作曲者と、場合によっては作詞者の
  許可を得る、必要があるの。

  まぁ、もしAちゃんが、作曲家さんが
  思わず許可、したくなるような
  素晴らしい、アレンジができたら、

  チャレンジしてみても、
  いいかもねぇ~」

娘「…」

姪「ごめん、ごめん。
  ちょっとイジワルが、過ぎたかしらね。

  もしどうしても、作曲が難しいようなら、
  著作権が関係ない、曲を使って
  アレンジしてみたら、どうかな?」

娘「えっ!?そんな曲があるの?  (嬉゚Д゚嬉) フッカツ」

著作権が関係ない曲って?

姪「著作権には、期限があるって、
  聞いたことない?

  実は、著作者の死後50年間経過すると
  著作権が消滅して、PD(Public Domain)
  と言って、公共の所有となるの。

  だから、童謡とかクラシックなんかの、
  昔に作られた、曲であれば、
  アレンジに使っても、問題ないわよ。

  但し、そういう曲って、色々な人が
  編曲を作っているの。

  その編曲のものを、使用したら、
  編曲者が、著作者になるから
  注意してね。

  例えば、Aちゃんもよく知っているだろうけど、
  『オワタP』の、『トルコ行進曲オワタ』は
  モーツァルトの、トルコ行進曲のアレンジだよね。

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  この曲の権利者は作詞、編曲が
  『オワタP』として、JASRACに登録されていて
  きちんと管理されているの。

  だから、使うんならオリジナルの曲に
  限られるわね。」

娘「むうぅ~。それも、大変そう…」 ┏(ー_ー;)┓ガックリ

おわりに

著作権の問題って、何だか面倒くさいし、
よく分からないこと、ばかりで

知らないうちに、行っている、
何気ない行為が

他人の権利を、侵している可能性が
あるかもしれないと思うと、
チョッとばかり、心配になりました。

結局娘は
「作曲に取り組む、いいチャンスなんだから、
 一からオリジナルを、作ってみたら
 どうなの?

 そうすりゃ、ホームページで公開しようが、
 CDにして販売しようが、自由なんだから!」
と姪に尻を、叩かれて、

オリジナルの作曲に、本腰を入れて
取り組むことに、決めたようです。

私としても、クラシックの名曲
娘の迷アレンジで、残念な姿になるのを
見るのは、忍びなかったので、

姪がオリジナルの、作曲を薦めてくれて、
正直言って、ホッとしているところです。 (^_^;);


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