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エルニーニョ現象で日本の台風は減るの?増えるの?

「いや~。今年の夏は、暑いわね~。
 今年はエルニーニョが、発生しているって
 聞いたから、冷夏だと思っていたのにね~。」

ウォーキング仲間のAさんが、
汗を拭き拭き、話しかけてきました。

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私「ホントね。
  もう8月も終わりだって、言うのにね。

  それに、今年は何だか
  台風も多い、気がするわね。」

A「ホント、そうよね。
  これもエルニーニョの、
  影響
なのかしら?」

エルニーニョだと、夏なら冷夏、冬なら暖冬
だというのは、良く聞きますが、

台風が多くなる、というのは
聞いたことが、ありません。

実際のところ、どうなのでしょうか?
お天気のウンチクに詳しい
友人のB君に、聞いてみることにしました。


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エルニーニョの意味は?

B「エルニーニョと、台風の関係
  へぇ、中々通なところを、突いてくるね。

  それじゃ逆に聞くけど、
  『エルニーニョ(El Niño)』って
  どういう意味か、知ってる?」

Σ(゚Д゚;)ギクッ
恥ずかしながら、名前や説明は
何度も聞いていると、思うんですが

大抵は、分かったような気に
なっているだけで、真剣に理解できて
いたわけでは、ないんですね。

B君はそんな私の、答えなんか
はなから期待しても、いなかったようで、
滔々と『エルニーニョ』について、語っています。  (`_ゝ´)アッソ

B「『ニーニョ』っていうのは、
  スペイン語で、『男の子』っていう意味。
  で、『エル』ってのは、スペイン語の定冠詞。

  つまり、英語ではThe Childや、The Boy
  ということになるね。

  この子供(男の子)は、定冠詞も名詞も
  大文字で書き始めて、あるところからも
  分かるように、

  単純に子供を、意味しているんじゃなく、
  『神の子イエス・キリスト』を
  指しているんだ。」

私「へっ?なんで『イエス・キリスト』の
  名前が、付いているの?」

B「エルニーニョっていう言葉は、
  元々は、ペルー北部の漁民が

  ほぼ毎年、12月頃に現れる
  小規模な暖流のことを、
  呼んでいた、ものなんだ。

  やってくるのが、クリスマスの頃だから
  エルニーニョ=イエス・キリストって
  呼んでいたというわけ。

  ま、本来はこういう意味の、
  言葉だったんだけど、

  観測網が、広がったことにより、
  ペルー沖に限った、現象ではなく

  太平洋全域に渡る、広範囲な現象
  ということが、分かってきたんだ。

  そこでこれを、元の意味である
  『エルニーニョ』から引用して

  『エルニーニョ現象』と、
  呼ぶように、なったんだ。

  ただ本来の意味が、ほとんど
  知られて、いなかったって
  いうことで、

  次第に『エルニーニョ現象』のことを
  『エルニーニョ』と呼ぶように
  なったんだそうだよ。

  つまり現在の『エルニーニョ』というのは、
  太平洋東部赤道付近、まぁ、ペルー沖って
  よく言われるけど、

  この海域の海水温が、平年より高い状態
  続く現象をいうんだ。」

私「どうして、海水温が高くなるの?」

エルニーニョの仕組み

B「エルニーニョが、起こっていないときには、
  太平洋では通常、貿易風(東風)
  吹いていて、

  この風によって、赤道上で暖められた海水が
  太平洋西部、つまりインドネシア付近
  吹き寄せられ、

  代わって、太平洋東部には、
  湧昇流(ゆうしょうりゅう)と言って
  冷たい海水が、湧き上がってきて

  ペルー沖の水温が、上がり過ぎないように
  なっているんだ。
  ところが、エルニーニョが発生すると

  1.東風の貿易風が、弱まり太平洋の海面では、
   暖かい海水が、西に吹き寄せられにくくなり、
   ペルー沖の、水温が上がる。

  2.ペルー沖では、深海からの冷たい海水の
   わき上がりが、弱まる

  という現象が、起こっているため
  ペルー沖の、水温が高い状態が続くと
  考えられているんだ。

  ただその発生の、きっかけについては、
  残念ながら、まだ十分には
  解明されていないんだ。

  エルニーニョは、数年に1回の割合
  発生するんだけど、

  発生すると世界的に、干ばつや洪水などの
  異常気象をもたらし、

  日本のへの影響は、夏なら冷夏
  冬なら暖冬と、なることは、
  よく知られているよね。」

私「それは、よく聞くんだけど
  どうして、冷夏・暖冬になるのかが
  イマイチ、よくわからないのよね~。」

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日本が冷夏や暖冬になるのは?

B「実は、ペルー沖の海水温と
  インドネシア・フィリピン海域の海水温は
  シーソーの関係にあり、

  エルニーニョ現象によって、
  ペルー沖の、海水温が上がると

  インドネシア・フィリピン海域の
  海水温が、下がるんだ。

  まず、冷夏になるメカニズム
  考えてみると、

  日本に夏の暑さを、もたらすのは
  主に太平洋高気圧が、日本列島を
  覆うからだよね。

  インドネシア・フィリピン海域
  海水温が高いと、そこで上昇気流が
  発生して北上し、

  大気の循環によって、日本の南で
  下降に転じて、いるんだ。
  この下降気流が、熱さの素である太平洋高気圧

  だけどエルニーニョが発生し、
  インドネシア・フィリピン海域の
  海水温が低い場合、

  そこでの上昇気流が、弱いので
  日本の南で、下降に転じる
  太平洋高気圧の勢力も、弱くなり、

  結果として、日本では太平洋高気圧の
  影響が薄くなって、冷夏になると
  考えられているんだ。

  更に、太平洋高気圧の勢力が弱い場合、
  梅雨前線を、北へ押し上げることが
  できないんだ。

  要するに、梅雨が明けないっていう
  状態だね。

  そのため、雨が降りやすい状態が続き、
  各地で集中豪雨や、土砂崩れなどが
  多く発生したりするんだ。

  次に暖冬になる、メカニズムに関しては、

  例年冬には、西高東低と呼ばれる
  典型的な冬型の、気圧配置になり、

  シベリア高気圧と、アリューシャン低気圧によって、
  摂氏-30度から、-50度程度の寒気が、
  日本列島付近まで、吹き出され、

  日本海側の地域に、大雪を降らせる
  要因となっているんだ。

  一方、エルニーニョの年には
  冬のシベリア高気圧が、弱くなり、
  アリューシャン低気圧が、勢力を増すため、

  西高東低の、冬型気圧配置が安定せず、
  暖冬傾向になる、可能性が高いと
  されているんだ。

  ちなみに、エルニーニョで高温になる海域で
  逆の状態、つまり、海面水温が
  平年より、低い状態が続く現象は

  ラニーニャ(La Niña=女の子)現象と
  呼ばれていて、

  日本の夏は猛暑で、冬は寒冬になる
  傾向があると、言われているんだよ。」

私「夏冬の気候に関しては、分かったけど、
  肝心の台風に関しては、どうなの?

  夏の太平洋高気圧が、弱まると言うことは、
  日本への上陸の可能性は、低くなると
  いうことなのかな?

  そもそも、エルニーニョで
  台風の発生数は、多くなるの?
  少なくなるの?」

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エルニーニョと台風

B「海面水温の分布は、気候学的にいっても
  台風の発生場所を、規定する要因の一つ
  なわけだから、

  エルニーニョや、ラニーニャのように
  広範囲で海面水温の、分布が変われば、

  台風の発生に、何らかの影響があっても
  おかしくないはずだよね。

  だけど残念ながら、台風の発生数や
  日本への接近、上陸などは
  統計的な有意性がない、とされているんだ。」

私「えっ!?無関係なの?」

B「実は気象庁では、エルニーニョ現象なんかの
  熱帯域の海洋変動を、監視していて、

  月1回、エルニーニョ監視速報として
  発表しているんだよ。

  1951~2005年について、季節別に調査した結果、
  エルニーニョ/ラニーニャ現象発生時と
  平常時との間に、

  台風の発生数に、有意な差は
  見られなかったと、公表しているんだ。

  また、日本に接近する台風の数や
  上陸数
についても、平常時に比べて
  差は見られない、そうなんだよ。

  但し、統計的に有意な傾向として、
  エルニーニョ/ラニーニャ現象発生時には、
  以下のように、

  季節や地域によって、様々な傾向が
  みられるんだそうだ。」

【エルニーニョ現象発生時】

 ・夏に台風の中心気圧が低くなる

 ・秋に台風の寿命が長くなる

 ・7~9月の台風の発生数が減少する

 ・台風の発生位置が、通年では南東にずれ、
  夏には南、秋には南東にずれる


【ラニーニャ現象発生時】

 ・秋に台風の寿命が短くなる

 ・台風の発生位置が、夏には北、
  秋には西にずれる

私「へ~。何だか意外な、結果だわ。」

B「実は、エルニーニョやラニーニャには、
  まだまだ分かっていない、部分が多いんだ。

  ただ、エルニーニョ現象が発生すると、
  世界各地の、大気の流れが変わり

  日本にも、何かしらの影響が
  出ることが多いと、考えられていることは
  間違いないようだよ。

  ちなみに、エルニーニョ現象との関連性は
  明確じゃないけど、直近2回の
  エルニーニョ現象発生時(2002 年、2009 年)には、

  それぞれ、2002年台風21号、2009年台風18号
  といった強い台風が、東日本に上陸しているんだ。」

おわりに

B君によると、日本の気象庁では、
エルニーニョ監視海域(南緯5度-北緯5度、
西経150度-西経90度)における、

海面水温の基準値(その年の前年までの、
30年間の各月の平均値)との差の

5か月移動平均値(その月及び、前後2か月を含めた
5か月の平均をとった値)が、

6か月以上続けて+0.5度以上
なった場合を、エルニーニョ現象

‐0.5度以下となった場合を、ラニーニャ現象
定義していますが、

意外にも、まだ世界共通の定義
存在して、いないのだそうです。

このように定義すらも、未だ曖昧な
エルニーニョや、ラニーニャは、
まだまだ未知の部分が、多いのだそうです。

実は2015年8月に、気象庁より発表された
エルニーニョ監視速報によれば、

2014年6月から、エルニーニョ監視水域の
海面水温の高温状態が、続いていて、

エルニーニョ現象は、今後冬にかけても
続く
と、みられているそうです。

エルニーニョであるにもかかわらず、
沖縄の梅雨が、例年より12日も早く明けるなど、

今年はエルニーニョの他に、更に特殊な
気圧配置が、観察されているそうです。

にわか予報士のB君の
例年よりも、激しい気象現象が、
 起こりやすい、可能性もあるね。」

という予報が、杞憂に終わることを
願いながらも、しっかりと防災の備えを
しておきたいと、思います。


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